仕事を持つ主婦、家族のあり方

 最近みなさんから頂くお便りを読んでいて気づいたことがあります。お子さんがいらしても働いているおかあさん、共稼ぎで忙しくてなかなか注文できないという方。日本もアメリカなどのように仕事を持つ女の方が増えてきたように思います。忙しい毎日の中でお手紙を書くということはなかなかできないこと、まして私たちを気遣ってまで下さる文面には尊敬の意を抱くこともしばしばです。私たちスタッフも過去にOLだったり専業主婦だったり経歴も様々ですが、今までたずさわった職業はすべて今、生かされています。こうして経験を重ねていくうちに自分に一番あったものが選ばれて今に至っていますが、今まで経験した中でも、主婦という仕事はそれが専業的であるほど奥深くてきりがないもののように思います。また、子どもがいたりしたら育児も加わり、忙しさも尋常ではありません。今では仕事をやめ主婦となったスタッフが言うには、OLしてるときは休みもままならないし忙しくて、いつも家にいる主婦がうらやましかったけど、主婦になってみたら会社に行ってる方がラクだったかもしれない…..会社みたいに6時になっても終わんないんだから。確かにそうですね。最近は仕事を持ちながら育児や家事をこなす方が増えてきていますが、子どもにとって母親が常に家にいることが幸せの絶対条件という考えに影響されずお仕事をされる方が増えたことは歓迎すべきことのように思います。子どもにとっては幼稚園や保育園など親のいない環境で、早くから子どもたち独自の社会とかかわって過ごす事は、むしろ本人の自立に欠かせないことですし、独立した人格をはぐくむ環境としては、毎日母親と過ごすだけでは偏ったものであるとも思います。専業的に主婦の仕事をしていることと仕事を持って働いていることとにかかわらず、親の愛情は接する時間で伝わるものではなく、何よりも心を尽くして育てるその姿から子ども自身が全身で感じとるものだと思うのです。子どもと過ごす時間が長かろうと短かろうと、そのありようこそほんとうの姿であって、その気持ちを失わなければ、母親が社会に出て働く姿は、同時に子どもにも社会性を身につけ、自立をうながすことにもつながるのではないでしょうか。欧米に比べ、日本では家庭における主婦にかかる負担が多すぎてバランスが悪いですし、ここにきて全体的な価値観も急速に変化してきていますのでこの流れは当然のことと考えますが皆さんはどうでしょうか。私の母は30余年間働いており今も現役でおりますが、今と違って昔は世間の理解に恵まれず言葉にできない苦労もあったかと察します。私たちの時代は女性は家庭に入るのが当然という考えはもはや過去のものになりつつありますから、母のような苦労をする人も少なくはなって来ていると思います。確かに働く環境が充分に整っていない今ではいろいろと困難もあるでしょうけれども、社会は少しずつ変わってきていますので以前よりは自由に自分の人生を選択できるようになってきたことは事実だと思います。働く親の姿から子が学ぶものは多く、なにより普段離れていることで、家庭で子と接する時間の密度は濃くなるでしょう。社会と共にある家族にとって家庭が一番やすらぐ場所であることはとても大切なことですし、子どもは多くの人の手によってすくすく成長し、のびやかで独立した人格を持つようになりますし、母親が家でいて息が詰まることもなくなります。家族はその方が幸せではないでしょうか。もちろん、主婦の役割を享受し生き甲斐としている人とその家族にはそれ以上の幸せはありません。しかしそうでない場合が多いことが現状であるわが国も、時代が変わり急速に国際化が進み、アメリカや諸外国ではあたりまえのことが日本では非常識ということではもはや済まない今、日本の家族のありようと主婦の立場を見直す必要があるのではないでしょうか。皆さんの意見もお聞きしたいと思います。

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。