食品添加物について

■食品添加物は遠い昔から、食べ物の保存や加工の工夫から生まれました。


たとえば、お肉やお魚を”くんせい”にしたり、”塩づけ”にしたりして、長持ちさせる。それから、植物の実や葉や花を使って、色や香りつけたり・・・。ごはんを黄色くするサフランや、梅干に入れるしその葉なんかも、昔から使われてきました。こんなふうに、食べ物を作ったり、加工したり、保存するときに使う調味料、保存料、着色料などを、まとめて食品添加物といいます。その食品添加物には、植物の実や花などから取り出したものと、化学的に合成されたものがあります。もちろん、食品添加物は、安全と認められたものしか使ってはいけないようになっているんですが、その安全性はどのような基準に基づいて考えられているのでしょうか?又、安全とはここに判断基準や、価値観が相違するということも考慮されているのでしょうか。


●食品衛生法では・・・ 食品添加物とは、食品の製造過程で、または食品の加工や保存の目的で食品に添加、混和などの方法によって使用するものと定義されています。


●食品添加物の分類・・・ わが国では、食品添加物は厚生労働大臣が安全性と有効性を確認して指定した「指定添加物」、天然添加物として使用実績が認められ品目が確定している「既存添加物」、「天然香料」や「一般飲食物添加物」に分類されます。天然香料、一般飲食物添加物をのぞき、今後新たに開発される添加物は、天然や、合成の区別なく指定添加物となります。


指定添加物(351品目)厚生労働大臣が指定した添加物 (天然添加物も含む)/既存添加物(450品目)天然香料 天然添加物 一般飲食添加物


■次のように分類することもできます。


1/自然界にはないもので、化学的に作り出したもの・・・サッカリンナトリウムなど 2/自然界にあるもので、化学的に作り出したもの・・・ビタミンCなど 3/自然界にあるものを、そのまま、または取り出したもの・・・ペクチンなど 4/本来食品であるものが、添加物的に使われることもあるもの・・・エタノール(柿の渋抜き)など


●食品添加物として指定される要件


(1)安全性が実証または確認されるもの(長期的に安全でしょうか?未知の危険は?)(2)使用により消費者に利点を与えるもの(果たして本当に必要でしょうか?)


食品の製造、加工に必要不可欠なもの/食品の栄養価を維持させるもの/腐敗、変質、その他の化学変化などを防ぐもの/食品を美化し、魅力を増すもの/その他、消費者に利点を与えるもの


(3)既に指定されているものと比較して、同等以上か別の効果を発揮するもの


(4)原則として化学分析等により、その添加を確認し得るもの


●使われる食品添加物の例


豆腐を固める/(凝固剤)/塩化マグネシウム、塩化マグネシウム含有物(にがり)


硫酸カルシウム グルコノデルタラクトン


泡立ちを抑える/(消泡剤/シリコーン樹脂 グリセリン脂肪酸エステル


その食品添加物が安全か、どうかということは、具体的に確かめなくてはわかりません。


そこで、ラットやマウスなど、人間と同じほ乳動物を使って、じっさいに試しています。


一度に多くの量を食べさせてみるとか、長期間食べさせたらどうなるかとか・・・こんな動物実験をつうじて、これなら安全という量をはかります。このほか、がんになったりしないか、生まれてくる赤ちゃんに悪くないかなども、動物を使ってチェックします。つまり、食品添加物は、今食べている人たちにも、そして、つぎの世代の子供たちにもまったく影響がないように、こまかく試験されているっていうわけですが、消費者の利点と、メーカーの利益との秤もあるのかもしれません。


●安全性を確認するための主な試験


一般毒性試験/28日間反復投与毒性試験/実験動物に28日間繰り返し与えて生じる毒性を調べる


90日間反復投与毒性試験/実験動物に90日間以上繰り返し与えて生じる毒性を調べる


1年間反復投与毒性試験/実験動物に一年以上の長期間にわたって与えて生じる毒性を調べる


特殊毒性試験/繁殖試験/実験動物に二世代にわたって与え、生殖機能や新生児の生育におよぼす影響を調べる


催奇形性試験/実験動物の妊娠中の母体に与え、胎児の発生、生育におよぼす影響を調べる


発がん性試験/実験動物にほぼ一生涯にわたって与え、発がん性の有無を調べる


抗原性試験/実験動物でアレルギーの有無を調べる


変異原性試験/(発がん性試験の予備試験)/細胞の遺伝子や染色体への影響を調べる


※以上のようなテストを行ってでも、利便性や流通効率、コストメリット等を得る必要性があると判断されていることは確かです。考えさせられます。又、テストは完全でないどころか、化学で知り得ているところはほんの一部であるかもしれないという仮説は間違いでしょうか。


 食品添加物は、ほとんど毎日の食べ物に使われています。一生のあいだ食べつづけても、すこしも害がないのでしょうか。食べ物に使うことのできる添加物の量は、ラットやマウスなどの動物実験で、国際的な機関が無害と確かめた量(無毒性量)の通常1/100の量を、毎日食べつづけても安全な量(1日摂取許容量)とし、さらに、この量よりずっと少なくなるように法律で使い方がきめられています。また、実際には、この量よりもっと少なく使われていて、日本人が1日に食べている加工食品の中にふくまれる自然界にない人工の添加物の量は、およそ0.1グラムでこれなら、安全であるとされています。しかし、後になって、新たな毒性が発見されることも多くあり、そのときには多くのその添加物を摂取している場合もあります。味の素のL−グルタミン酸ナトリウムなどもそうでした。


●食品添加物の使用基準


無毒性量とはラットやマウスなどの実験動物を使って、毎日一定の量の食品添加物を食べさせ、一生食べつづけても「有害な影響が見られない最大の用量」をいいます。 食品添加物の摂取量が無毒性量を超えないように、食品衛生法第7条の規定に基づいて設けられています。添加物の使用基準の定め方には・・・1/使用できる食品の種類の制限 2/食品に対する使用量や使用濃度の制限 3/使用目的についての制限 4/使用方法についての制限など通常これらが必要に応じて組み合わされて定められています。


●1日摂取許容量


無毒性量の通常1/100としてもとめられます。一生食べつづけても安全と認められた量を体重1キログラムあたり1日に何ミリグラムまでとあらわされます。


●安全性の国際的評価


世界的なレベルでは、WHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)がひとつになって協力しています。世界中からたくさんの科学者が集まって、いろんな国々でおこなわれた研究やデータをもとに、食品添加物の安全性をチェックしたり、安全な食品添加物を広報したりしています。


WHO(世界保健機構)は、健康問題を取り扱う専門機関として国連内に設けられています。世界のすべての人々が最高の健康水準に到達することを目的とする国際的な組織です。また、FAO(国連食糧農業機関)は、世界的な規模での食糧や農産物の生産を通じて、世界の人々の暮らしが豊かになることを目的とする組織ですこのWHOとFAOが協力して設ける国際的な組織のひとつに、JECFA(合同食品添加物専門委員会)があります。この委員会に、各国の専門家が集まって、食品添加物の規格や安全性の試験結果の評価を毎年1回以上おこなっています。


 今では、いろんな加工食品が簡単に手に入り、食卓をにぎわせています。加工食品を食べる前に、どんな食品添加物が使われているのか、原則として表示がしっかりされています。しかし、外食等のレストランでは既に調理された食品を食べるので、一部のレストランをのぞき何が添加されているのかはわかりません。できるだけわかりやすく、くわしく告知するよう工夫されているということですが、その危険性等のデメリットは、自己責任で知識を持つ必要があるのが現状です。例えば、この着色料は発ガン性の危険性が疑われています等と表示すれば、誰も買いませんが、単に、青色○号と表示されているだけなので商品になる訳です。芳香剤等にはもちろん表示する義務はありません。しかし、それを表示するカリフォルニアの今回の商品にはどのような本質が見えてくるでしょうか。ぜひ、皆さんもお考えください。


日本の場合、ど表示はどのようにされているのでしょうか?チェックしてみました。


●使用された食品添加物は名称やわかりやすい簡略名、類別名で表示されています。


例えば、L−アスコルビン酸ナトリウム/ビタミンC、V.C/炭酸水素ナトリウム/重曹/硫酸アルミニウム・カリウム/ミョウバン/ビートレッド/アカビート/野菜色素


●用途名が併記されているものもあります。例/甘味料ー甘味料(サッカリンNa)/着色料ー着色料(アナトー)またはアナトー色素/保存料ー保存料(安息香酸Na)/増粘剤、安定剤、ゲル化剤または糊料ーゲル化剤(ペクチン)、安定剤(CMC)または増粘多糖類/酸化防止剤ー酸化防止剤(エリソルビン酸Na)/発色剤ー発色剤(亜硝酸Na)/漂白剤ー漂白剤(亜硫酸Na)/防かび(防ばい)剤ー防かび剤(OPP)または防ばい剤(OPP)


●同じような用途の成分が入っているものは、一括名としてまとめて、わかりやすく表示します。 例えば、イーストフード/ガムベース/かんすい/酵素/光沢剤 /香料/酸味料/軟化剤/調味料/豆腐用凝固剤 /苦味料/乳化剤/pH調整剤/膨脹剤など  


●食品添加物の表示が免除されるのは、次の場合に限られます。


※加工助剤/加工工程で使用されるが、除去されたり、中和されたり、ほとんど残らないものー活性炭、ヘキサン・カセイソーダ


※キャリーオーバー/原料中には含まれるが、使用した食品には微量で効果がでないものーせんべいに使用されるしょうゆに含まれる保存料


※小包装食品/表示面積が狭く(30cm2以下)、表示が困難なものですべての食品添加物


※バラ売り食品/包装されていないので、表示が困難なものー防かび剤などを除くほとんどの食品添加物


※栄養強化剤(ビタミンD3など)は栄養改善法により表示が行われており、食品衛生法では表示が免除されています。


●食品添加物の種類と用途例


甘味料/食品に甘味を与えるー例/カンゾウ抽出物・サッカリンナトリウム


着色料/食品を着色し、色調を調節するー例/クチナシ黄色素・食用黄色4号


保存料/カビや細菌などの発育を抑制し、食品の保存性をよくし、食中毒を予防するー例/ソルビン酸・しらこたん白抽出物


増粘剤・安定剤・ゲル化剤・糊剤/食品に滑らかな感じや、粘り気を与え、分離を防止し、安定性を向上させるー例/ペクチン・カルボキシメチルセルロース・ナトリウム


酸化防止剤/油脂などの酸化を防ぎ保存性をよくするー例/エルソルビン酸ナトリウム


・ミックスビタミンE


発色剤/ハム・ソーセージの色調・風味を改善するー例/亜硝酸ナトリウム・硝酸ナトリウム


漂白剤/食品を漂白し、白く、きれいにするー例/亜硫酸ナトリウム・次亜硫酸ナトリウム


防かび剤(防ばい剤)/輸入柑橘類等のかびの発生を防止するー例/オルトフェニルフェノール・ジフェニール


イーストフード/パンのイーストの発酵をよくするー例/リン酸三カルシウム・炭酸アンモニウム


ガムベース/チューイングガムの基材に用いるー例/エステルガム・チクル


香料/食品に香りをつけ、おいしさを増すー例/オレンジ香料・バニリン


酸味料/食品に酸味を与えるー例/クエン酸(結晶)・乳酸


調味料/食品にうま味などを与え、味をととのえるー例/L−グルタミン酸ナトリウム


タウリン(抽出物)


豆腐用凝固剤/豆腐を作る時に豆乳を固めるー例/塩化マグネシウム・グルコノデルタラクトン


乳化剤/水と油を均一に混ぜ合わせるー例/グリセリン脂肪酸エステル・植物レシチン


pH調整剤/食品のpHを調節し品質をよくするー例/DL−リンゴ酸・乳酸ナトリウム


かんすい/中華めんの食感、風味を出すー例/炭酸カリウム(無水)・ポリリン酸ナトリウム


膨脹剤/ケーキなどをふっくらさせ、ソフトにするー例/炭酸水素ナトリウム・焼ミョウバン


栄養強化剤/栄養素を強化するー例/ビタミンA・乳酸カルシウム


その他の食品添加物/その他、食品の製造や加工に役立つー例/水酸化ナトリウム・活性炭、液体アミラーゼ


 以上の食品添加物の用途に果たしてどれだけ必要性を感じましたでしょうか?人それどれと思います。消費者の利便性として食品添加物の目的がありますが、私たちは、それだけではないようにも感じます。販売者やメーカー輸入業者、国益など等複雑に絡む意図が見え隠れしています。これは単なる私たちの考えですが、説明責任といわれるメーカーの表示義務は現在どのような危険性が疑われて試験されているか?又、なぜ、この添加物が使用されているか?などに及ぶのではないかと思っています。明確に必要な情報すべてを表示して、それを選択するのは自己責任でということでいいのではと思います。アメリカの牛肉に関しても、どのような部分がどのような検査で輸入され、店頭で明確に詳細に正直に表示することが義務づけられているならば、それでいいのではないでしょうか。そして、その異常プリオンが起こす病気の詳細と、その危険性、未知な部分を販売者は責任を持って告知する義務を持ち、その告知に偽りがあれば未知の部分を含め全責任を負うことにすればとも思います。今回のデオドラントのように、発ガン性物質が含まれていますと表示すれば、もちろんこの商品の売り上げに影響します。国内の商品は表示しません。しかし表示していることによって、自己責任で商品を選択できます。子供のおもちゃ等も口に入れても安全な塗料等が使用されていたり、メーカーは独自に安全基準を設け販売しています。商品への表示は今のところ法律で定められている意外には義務はありません。しかし、そろそろ、多くのメーカーは説明責任を考える時期に来ていると思います。法律によってではなく、本来の商品の目的に沿って、消費者の利便性のみに迎合することなく、一般的な表示というよりも、添加物や化学物質の有害性を広報することが望まれるのではないでしょうか。後は利便性を追求することで、危険をはらむものを選択するかは消費者自身であると思います。究極的なことを言ってしまいますと、入浴剤等は直接皮膚に触れて浸透します。なぜ、化学的な物質が入浴に必要なのか?その選択だと思います。基本的には、オーガニックや有機などメリットのあるものは必ずメーカーは表示します、安心という付加価値で商品が売れるからです。その商品を選択していればほぼ安心です。それ以外は、表示されているいないに関わらず、ほぼ安心ではないということを認識し、生活に潤いを与える、利便性を与えるものが、危険性があるかもしれないと思われる場合のリスクとどう相殺されるのか、個人個人の価値観で判断されるものと考えております。今後もサークルは本来メーカーが行うべき、このような情報の収集と周知を行いますが、国やメーカーの情報量とは比べ物にならないほど微少です。しかし、精一杯勉強して、注意深く観察していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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