環 境

今年は梅雨も短く、熱風が吹くような猛暑であると、今から予想されている夏がもうそこまで来ています。サークル事務所では最近、15年ほど使っていたクーラーがタイミングよく壊れたので、新しいものに買い換えようと電気屋さんに行ってみました。久しぶりに見た電化製品たちは、どれも省エネを強調して売り出されているのが印象的でした。近年、人類生存の危機を感じて全世界で動き出している地球環境への配慮。今回は、世界の各国で見られる代表的な公害や対策などを調べてみました。

フランスの電気自動車

 ヨーロッパは、ディーゼル車が主流のところが多いため、大気汚染対策として様々なエコカーの研究が盛んのようです。特に、ディーゼル大国として知られるフランスは、都市部の大気はあまりよくない状況です。そこで、自動車からの排出ガスは一切なく、走行音(騒音)も従来のガソリン車やディーゼル車などに比べてとても静かで、窒素酸化物(NOx)や二酸化炭素(CO2)の排出も発電所から排出される分を考慮に入れても、通常の自動車よりも少ないという特徴を持った電気自動車に力を入れ、今や世界一の普及国になっています。特に、フランス電力公社が中心となって、各種普及のためのデモンストレーションプログラムなどを進めています。そんなプロジェクトの一つが、フランス南西部の小さな港町、ラ・ロシェル(La Rochelle)で行われています。ラ・ロシェルは大西洋に面した静かな街で、フランス人には人気の観光スポットです。車などの環境公害を抑えるために、ストックホルム、ミラノなどを始め、ヨーロッパ7都市で移動や物資の流通に電気自動車を使用するインフラ整備を実験的に模索する「ELCIDIS」プロジェクトに参加しており、ヨーロッパで最初の実験都市に選ばれました。人口13万5千人のこの街は、電気自動車を日常的に使用しています。最初に電気自動車がこの街に導入されたのは1986年。その後1997年9月9日に初めて実施された「ノーカーデー」のおかげで、人々の意識も向上し、現在では235台の電気自動車が町中を走りまわっています。街の人は出来る限り街の乗り物を利用しており、自転車、スケートボード、ローラーブレードなどでの通勤も多いようです。さらに面白いのは、電気自動車を気軽に借りられるという点。駅、大学、コミュニティーセンター、スポーツセンター、ショッピングエリアなど7つのステーションから24時間いつでも車を借り出せます。借りるには予約が必要で、料金は月々の契約でいくらの料金を支払うか、使用した分だけ支払うかを前もって決めておきます。使用したい人はステーションに行って、緑のランプがついている充電済みの車を探し、特殊なカードを差し込むだけ。カードはパスワードで動作し、使用し終わった後もパスワードを使ってドアをロックします。車はどのステーションに返してもよいため、公共機関から公共機関の移動にも最適。電池は平均80kmごとに充電が必要ですが、電池の性能が向上しているので、街で乗るぐらいなら、平均2〜3日に1度の充電で充分なようです。街のあちこちには充電ポイントがあり、家での充電も可能。100km分の充電には2ユーロ(約300円)しかかかりません。

 ラ・ロシェルの取り組みを見ていると、街のアプローチ次第で電気自動車の導入はそんなに難しくないように感じます。2005年にはフランス郵便局も電気自動車を採用、パリとボルドーで大活躍しているようです。電気自動車の先駆者PSAプジョー・シトロエン社では、燃料電池と電気自動車の利点を組み合わせた新種のタクシーを開発。アイドリング状態が多いタクシーが電気になれば、効果も高いと思われます。燃料電池の性能も向上し、それに伴いコストもだんだんと安くなってきています。さらに最近の取り組みでは特殊なインフラを必要としない電気自動車を開発する傾向にあります。PSAプジョー・シトロエン社の電気消防車「ファイヤーカー」の試作品も完成、2010年から2020年にかけて普及させる展望とのことです。そんなエコなタクシーや消防車が世界中で走るようになるのももうすぐかもしれません。

盗難から始まったイタリアの環境問題

日本の公害問題とほぼ時を同じくして、イタリアにもさまざまな環境問題があり、そのたびに環境を守る法律ができ、不幸な過去の記憶を繰り返すまいという堅い決意表明として、また国全体の知恵として引き継がれてきました。

 具体的にみていくと、日本の公害の原点といわれる足尾鉱毒事件がおきたのは、明治時代後期(1885年頃)の19世紀から20世紀にかけてですが、同じ頃のイタリアでは、膨大な数の芸術品や考古学的な遺品の盗難があり、これが環境問題の原点とされています。1902年に最初の法律「記念建造物及び古美術品・芸術品の保護法185号」ができ、文化財の保護が始まり、その後「芸術的及び歴史的遺産の保護法」と「自然美保護法」が生まれました。そして、第二次大戦後、イタリアは王政を廃止して共和制に移行し、1948年に新憲法を施行しました。その憲法第9条において、「共和国は、文化及び科学並びに技術の振興を促す。国の風景及び芸術的及び歴史的な遺産を保護する」と規定し、風景の保護を憲法上の価値と認め、保護することを明文化したのです。その後のイタリアではどのような環境事件が起きたのか。1966年には豪雨による洪水でフィレンツェのアルノ川が氾濫し、夥しい数の文化遺産がダメージを受け、また戦後の工業化の波を受けて、大気汚染や水質汚染が悪化しました。

 1986年に現ウクライナのチェルノブイリで起きた原発事故を教訓に、イタリアでは国民投票を行い、その結果原子力発電所は全て停止または建設中止となりました。現在もイタリアでは原子力発電は行っていません。

 1990年代に入ると、欧州連合(EU)からの法的な制約が厳しくなり、加盟国であるイタリアもさまざまなEUの法律を国内法化する必要に迫れるようになりました。なかでも、自然保護に関する指令、廃棄物に関する指令が続々と法律化され、現在にいたっています。

 公害法から環境法、そして風景保護法へと続く、一連の法的進化は、1985年に制定された通称ガラッソ法によっても一段と強化されました。これは、国土の乱開発から歴史的資産を保護し、自然環境を保全するために、各州政府に風景計画(Piano Paesistico)の作成を義務付けたものです。1999年の統一法典化を経て、また2000年のヨーロッパ風景条約の制定を受けて、この法律は2004年に文化財・風景財法として生まれ変わり、風景が直接保護すべき財物であるとの明確な認識に達したのです。

 イタリアでは法律が行政だけでなく、環境保護の市民団体やルカ氏のような法律家が共同で関わり、さまざまな人のつながり・議論の中で、作られている面があるように見受けられます。また、こうして作られた法律は、環境・風景保護のいわば十分条件として存在意義があるもの、といえるでしょう。この様なイタリアは、世界遺産の登録が42件もあり、世界一多い国となっています。今後も、環境・風景保護の法制度がしっかりと守られる限り、増えていくのではないでしょうか。

地球温暖化と地球暗黒化という矛盾

 近年、地球温暖化=グローバル・ウォーミングのことばかりが取り沙汰され、「温室効果ガスを抑えさえすれば地球の温暖化は止まり、住みやすい地球になる。」といった感じにとらえられがちですが、実は、グローバル・ウォーミングと共に、もうひとつの現象『Global Dimming/グローバル・ディミング=地球暗化、又は暗黒化』が起こっていることがわかっています。グローバル・ディミング=地球暗化/暗黒化とは、地表に到達する太陽光が減少している現象で、研究チームの調査結果によると、10年で3%ほど減少しており、これは、過去50年間で1日の太陽照射時間が約1時間ほど減少したことを意味しているのだそうです。
 この現象は、大気中に無数に放出された塵や埃など、地球の表面を覆う汚れた大気が太陽光を阻んでしまうことで起こるものです。この様に、グローバル・ディミングは太陽光が届きにくくなるのだから、地球は冷却化してしまうはずなのですが、なお温暖化している現状とはいったい...?このグローバル・ディミング、そしてグローバル・ウォーミング(地球温暖化)との関係についてのドキュメンタリー番組が、英国国営放送のBBCにより制作され発表された調査結果によると、現時点では、このグローバル・ディミング=地球暗化/暗黒化によって太陽光が減少することで、温暖化がそれほど進まずに済んでいるのではないか?ということです。本来なら、人類が排出する温室効果ガスで気温がどんどん上昇しまうところ、グローバル・ディミングにより、地上に太陽光が届きにくくなっていることから、それほど気温が上がらずに済んでいるのかもしれないということなのです。
 ですから、世界的な規模でCO2を減らすクリーンなエネルギーを利用すればするほど、大気中の煤塵(ばいじん)も減少し、反対に地表に届く太陽光が増え、温度はうなぎのぼりに上昇していく...そうなったら、 今世紀末までには最高10度は気温が上がり、地球上の一部では人類が生活さえできなくなるというのが、先の研究チームの試算です。実際、航空機が生成する飛行機雲が気温に及ぼす影響について研究を続けているアメリカの気候学者も、以下のような談話を寄せています。「2001年ニューヨークで起きた同時多発テロの直後、3日間商用飛行機の飛行が禁止された(ノこれは大気中にバラ撒かれる煤塵が減少したことを意味するノ)だけで気温が1度上昇したと言う事実も、大気中にバラ撒かれる煤塵が減少することで気温が上昇し、さらに地球温暖化が進むことを裏付ける」また、ロンドン気象研究所に勤務する博士も、クリーンなエネルギーを使い続けることで、地球温暖化が加速されることもありうると警鐘を鳴らしています。
CO2等の温室効果ガスを削減しなければ、さらなるオゾン層破壊にもつながり、地球は温暖化する一方。だからといって、CO2等を減らそうと、各国がこぞってクリーンなエネルギーに切り替えても、それはそれで、さらに温暖化を進めてしまうことにつながるという矛盾が起こっているわけです。極限まで行った状態から元に戻るときには、混沌はつきものであるということでしょう。みなさんはどうお考えになりますか?

日本の和の心

『もったいない』という言葉は、環境に負担をかけない生き方である『リデュース(Reduce:削減)』、『リユース(Reuse:再利用)』、『リサイクル(Recycle:再生)』を表現する言葉として、今や世界共通の環境保全の標語として注目されています。元々は「勿体無い」と書き、その物が本来持つ値打ちが生かされずに捨ててしまったり、使わずにそのままにしておいたりして無駄にしてしまうのを惜しむ時に使われる言葉です。また、「私にはもったいないお褒めの言葉」のように、身に過ぎておそれ多いことを表すこともあります。この『もったいない』という言葉には、ものがなくなってしまうことへの不安が先にあるのではなく、そのものを自分の一部として愛しんでいる。どんなものにも魂があるといった愛情から来た言葉であると思います。それは、『愛用』、『愛着』といった言葉にも現れています。愛しているから、調和していく。そういった日本の『大和』のこころから始まる生き方で生きていけば、自然と環境保全されていくのだ思います。ゴミの分別をする、レジ袋をもらわないようにする、自分の箸を持ち歩く、などやっているから大丈夫、と、思考も止まってしまう様な環境保全対策では全く意味がありません。例えば瓶や紙などをリサイクルするにも、溶かしたり固めたりする加工は必ずあるのですから、熱やガスなどを結局使うわけです。一番大切なのは、どんな心でもったいない活動をしているかだと思うのです。私たちが生きていること自体地球には影響を及ぼしているのですから、自然と調和する心を基準にして生きていけば、行動もそちらの方向に向かっていくでしょう。自己満足が基準か、宇宙と一体であり生かされている本来の自分が基準か、ということです。『もったいない』という言葉に感銘を受け世界に広めたケニアの環境副大臣のワンガリ・マータイさんは、おそらくこの日本人の心に根付く魂を感じ取ったのだと思います。

 サークル事務所がある横浜市青葉区は、その地名の通り多くの緑を目にすることが出来ます。近くにはふるさと村という場所があり、日本の里山風景がひろがってウシガエルやサギが気持ちよさそうに過ごしているのが見られます。とっても甘いクワの実もあり、チョウチョは私の手に止まって来ました(表紙写真)。そんな環境はとっても心地よく、自然と笑顔になっている自分がいます。みんな大好きだよ!という気持ちがわいてきます。その反面、暑い夏にはクーラーもつけるし、おいしいご飯はおなかいっぱい食べるし、たまに電気の消し忘れだってある私です。でも、『みんな大好きだよ!』という心が生きる基盤にあるのを知っています。子どもの頃から自然に触れてどろんこになって遊ばせる事は、この全ての魂を愛おしく感じることにつながっていくからこそ、大切なのだと思います。そして、この和の心を感じ、思い出すことこそ、環境保全の第一歩です。その心を持って、今後のサークル商品にしても、新しく取り扱うものはオーガニック中心にしていく意向です。今はまだセール品のカタログですが、少しずつ新商品もご紹介していこうと思っていますので、楽しみにしていてくださいね。

スウェーデンの持続可能エネルギー

  1979年までは、スウェーデンは国民一人当たりの原油輸入量が世界で最も多い国で した。北欧の厳しい自然に囲まれて、石油をエネルギー源として消費しなくては ならないのは当然です。しかし、1981年スウェーデン議会は、地域的に 生産した燃料も使うようにし、石油使用量を半減する計画を決定しました。主要燃料にせざるを得ない原油の 輸入を減らし、原子力を徐々に撤廃していく方向を選択したのです。同時に将来の エネルギーシステムは、環境への影響を最小にすべきであるとの決定もおこないました。こうすることが、より 国民の利益になると考え、「持続可能エネルギー政策」を作ったのです。これらの決定により、エネルギーの生産方法と消費方法の改革が進められました。 スウェーデンでは発電の大部分を水力発電で得ていますが、水力発電所の建設や増設は 国土環境と生態系に大きな影響を与えるため、大勢の国民が 反対しました。そこで、石油や石炭、ガスなどの化石燃料をも使いながら従来よりもっと効率的で汚染の少ない方法に切り替えていくことにしました。そこで採用されたのが、熱と電気の供給を一体のものとして組み合わせた発電発熱 設備、すなわちコジェネレーションシステムです。化石燃料を効率的かつ安全に 燃焼させ、得られた熱で発電を行う。以前では発電に使われた後に残っている 熱は「廃熱」として捨てられましたが、コジェネレーションシステムでは廃熱を地域暖房に 使うようにしました。大きな発電所を作るより、小さな発電発熱所を地域に分散して配置し、 廃熱をも分配して活用したのです。

 

 また、住宅についても断熱計画を立て、住宅が具備すべき断熱性能を法律で規定したことで、家庭で消費される熱エネルギーの量は劇的に改善しました。さらにルンド市では、地底500mから800mの含水砂岩層から取り出した地熱エネルギーを 家庭の暖房源として使用しています。 ユニークな取組みとしては、成長の早い柳の木を植林し、薪にすることも 検討されています。薪は太陽エネルギーのみで生産、再生可能な資源だからです。 日照時間の少ない北の国でありながら、夏の太陽で水を温め、冬に使うような仕組みも検討されています。

 スウェーデンの選択としては、クリーンなエネルギーには少しお金がかかる ことを認めること。そして、エネルギーを使うには節約して使い、使ったエネルギーが 漏れて行かないようにすることに努力を払うことにあります。 さらに「よい環境は基本的人権である」という認識が、広くゆきわたっているからこそ、環境をこれ以上損なわず、できれば改善するためのさまざまな施策が、利害関係を超えて受け入れられるのでしょう。また、政治が強いリーダーシップを発揮して明確なビジョンを打ち出し、その実現のための制度を整えていく条件も伝統的に整っています。スウェーデンが考える「持続可能な開発」とは社会の開発であって、日本が考える経済の開発、発展あるいは成長ではないのです。しかし、スウェーデンの環境への取り組みは、自然と人との調和が感じられ、日本人の精神と通じるところがある様な気がします。

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