LOCAL PERFORMING ART

 イベント好きなスタッフの血が騒ぐ催しが、先日近所の公会堂でありました。その名も、「青葉区郷土芸能まつり」です。自分の住む地域に、こんなにお囃子のグループがあったのか?と思うほど、6団体の囃子保存会と、地元高校の和太鼓クラブ、地元で有名な和太鼓グループなどが出場している芸能発表会のような催しでした。
 保存会の出演者は、幼児からおじいさんまでいて、五人囃子の笛太鼓に合わせて幼児や小学生がひょっとこ、おかめのお面をつけてくにゃくにゃ踊っていたり、おじさんが年季の入ったひょっとこ踊りや獅子舞を披露したりして、大人子どもや地域のぬくもりが伝わってくる、何だか懐かしい舞台でした。ところで、お囃子にはなぜおかめひょっとこ、獅子、五人囃子なのでしょう?
 世界中の各地域にもこのような郷土芸能が無数にあります。世界の郷土芸能にもとても興味がありますが、その前に、まず今回は日本の伝統芸能に目を向けてみたいと思います。

日本の郷土芸能〜お囃子〜

囃子とは?

 囃子とは日本の各種の芸能のことをさし、演技・舞踊・歌唱(謡・唄)の伴奏のために、あるいは雰囲気を出すために、楽器(主に笛と打楽器)や人声(掛け声・囃子詞(ことば))で奏する音楽のことです。中でも一番なじみ深い囃子は、日本の祭りには欠かせない祭り囃子ではないでしょうか。囃子が祭りを何倍も楽しく盛り上げてくれてることは間違いありません。ところで、一口に祭りの囃子といっても、屋台・山車囃子、舞殿や居囃子の囃子、神幸祭の囃子、獅子舞囃子などいろいろあり、また、同じ屋台・山車囃子でも多くの種類の囃子や曲目があるのだそうです。現在代表的な囃子としては、京都祇園囃子、葛西囃子・神田囃子・江戸囃子、佐原囃子(千葉)、花輪囃子(秋田)などが有名のようですが、実際は祭りごと、屋台や山車ごと、地域の連ごとにそれぞれ由緒と伝統があり、独特の旋律とリズムを持った囃子がつくられているので、一言では言い表せないものようです。まさに、地域に根ざした郷土芸能です。関東の囃子は、笛のない屋台・山車囃子はなく、笛がミチビキと呼ばれ笛の合図で演奏を始める指導的な役目をしており、笛の奏者は囃子全体の盛り上がりを左右する重要な位置にあります。(今回私が見たいろんな五人囃子でも、笛の音がしっかりした囃子はすごく引き締まって楽しく飽きない感じでした。すごく高いピーッという音がしたら曲調が変わったりしている時があり、本当に囃子の指揮者のようでした。)また、楽譜(数字譜)は一部の曲にしかなく、口伝によるものが多いため、伝承者がいないと絶えてしまうのだそうです。

ひょっとこ&おかめ

 祭囃子に良く登場するひょっとことおかめ。今回見た郷土芸能祭りでも、たくさんのひょっとこ、おかめ、わらいなどの面をつけた踊り手がステージを盛り上げていました。特に、こどもたちが大活躍。お面の人物になりきって全体をしなやかに動かし楽しく踊るすがたは、とってもかわいく微笑ましい感じでした。そんなおかめやひょっとこの面には、人間の純粋な心が宿っているような気がします。なぜこの二人がセットで囃子を盛り上げるようになったのか、そのいわれをたどってみました。
 『おかめ(おたふく)』の おかめという名は、昔、熱田神宮の巫女であった「亀女(かめじょ)」の顔が愛敬こぼれるばかりであったため、 人々がその顔をかたどったお面をつくって親しんだという説や、頬の張り出した形が「瓶・甕(かめ)」ににていることから名付けられたという説などがあります。「おかめうどん、おかめそば」は、おかめの面のように具を並べることから呼ばれるようになったものです。また、別名のおたふくは、多くの福を呼ぶ顔の女性という意味から、お多福になったという説が有力です。昔は、おかめ(おたふく)のような顔立ちは福を呼ぶ好ましい顔立ちで、美人とされていましたが、最近の解釈では不器量な女性の例えとしても用いられるようになってきました。祭りでは、福を招く人として大活躍しているのです。
 一方『ひょっとこ』の由来で最も多く伝えられているのは、かまどの火を竹でできた筒で吹くということを仕事としていた「火男」という名称がなまってひょっとこになったという説です。また、ひょっとこの面の口が、徳利(とっくり)のような形であることから「非徳利」とよばれ、それが、時が経つにつれてなまるなどしてひょっとこといわれたのではないかという説もあります。さらに、とある民話からこのひょっとこという名称が呼ばれ始めたという記録があります。それは、岩手県は奥州市の江刺地方に残っている民話です。民話のお話の内容としては、次の通りです。
 『あるところにおじいさんとおばあさんが住んでおり、おじいさんが山に柴刈りに行ったところ、大きな穴を一つ見つけました。こんな穴には悪い物が住むものだ、塞いでしまった方がよいと思い、刈り溜めた柴を全部穴の中に入れてふさぎました。すると、穴の中から美しい女が出てきて礼を言われ、中へ招かれたので入ってみると、立派な家があり、座敷には白髭の翁がいました。帰るとき、みっともない顔の一人の子どもを連れて行けと言われて家に連れ帰りました。その子どもは、いつもへそばかりいじっているので、ある日、火箸でちょいとへそを突ついてみると、へそから金の小粒が出てきて、おじいさんの家はたちまち富貴長者となりました。ところが、隣りの欲張りばあさんが、おじいさんの留守中に子どものへそをぐんと突くと、子どもは死んでしまったのです。外から戻ったおじいさんが悲しんでいると、夢にその子どもが出てきて、「泣くな爺様、俺の顔に似た面を作って、毎日よく目につくかまどの前の柱にかけておけ。そうすれば家が富み栄える」と教えてくれました。この変わった顔をした子どもの名前はヒョウトクといいました。それゆえにこの土地の村々では今日まで、醜いヒョウトクの面を木や粘土で造って、かまどの前の釜男(カマオトコ)という柱にかけておくようになりました。所によってはまたこれを火男(ヒオトコ)とも竃仏(カマホトケ)とも呼んでいるのだそうです。ヒョウトクの顔を模したお面は、ひょっとこと呼ばれるようになりました。』
 これが、口を尖らした奇妙な顔の男の面、ひょっとこの由来話として有名な民話です。こういった民話は実はいくつか各地方にあるようで、どれが最も信憑性のある説なのかは、ほとんど分かっていませんが、現在ひょっとことは、私たちの生活に重要な生命の火を自在に操り、こっけいな顔は火を吹いて燃え立たせている姿を模したもので、竈や窯の火を燃え立たせる神として大事にされているのです。

 このように、おかめとひょっとこは、福をもたらし、家が富み栄える二人だということで、祭りなどで見せる活気あふれるひょうきんな踊りは、まさに純粋な子どもの動きそのものが表されているのだと感じます。

狐谷戸

囃子にのせて、おかめ・ひょっとこ・きつねのお面をつけた登場人物が繰り広げる無声の昔話です。お話の内容は、一人のおじさんひょっとこが釣りをしているところ、小さな子ども達もまねして魚釣り。しかし棒きれやザル等しか釣れず、おじさんにおねだりして釣り上げた魚をもらって帰ります。それを見ていた狐は、子どもに化けておじさん近づき、お酒を飲ませて良い気分にさせ、こっそりと釣り上げた魚を横取りするというお話です。ユーモア溢れるジェスチャーだけで表現される舞台は、想像力が膨らんでとても面白かったです。

 アフリカのダンスや太鼓音楽と同じように、その国の文化や芸能というものは、人を通じて何年も伝承されてきたものです。今回日本の文化に触れてみて、初めて真剣に目にするものなのに、どこか懐かしく、自然に子ども時代の思い出が浮かんできました。もしかしたら盆踊りで聞いた、お正月に見た、そんな記憶が残っているかも知れません。また、人間の記憶や脳には、先祖代々が経験した記憶が残っているといわれています。今ここに生きている自分は、実はあらゆる先祖とつながっており、今まで残されてきた郷土芸能や伝統文化のなかに、そのほのぼのとした大人子ども関係、地域関係、自然と人間の関係などが感じられてとても気持ちよく楽しくなってくるのだと思います。

 そして、先祖の原点はアフリカといわれていますから、そこまでつながっているとしたら世界中の文化も私たちの遺伝子に受け継がれているということです。外国人と、家のペットとなど、言葉が通じなくても気持ちが通じ合う、そんな経験、みなさんの中にもあるのではないでしょうか?

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